076226 ランダム
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新波

新波

P.20

「おいコラ馬鹿

いつまで客を外にほったらかしにするつもりだ」

突然聞こえたのは、さっき電話で聞いたばかりの桃未さんの声だった。



「あ、桃未!
本当に美弥ちゃんが来たよ!!
それから、今の女バスのキャプテンの子とか・・・・」

パッ、と桃未さんの方を向いて嬉しそうに報告し始める赤夜さん。
やっぱり、顔にはあの笑顔があるんだろう。


それを見て、桃未さんは笑顔でこう言った。


「それより、お前はさっきから何をしてた?」

「え?えっとね、話してた!
ていうよりは自己紹介聞いただけなんだけどね、今年は黄燐の女バス強くなりそうだよね!!
美弥ちゃんがいるし、それに」


「何分客を外で待たせるつもりだ?あぁ?」

「え・・・・えっと・・・・・・・
何分、経った・・?」


「そうだな。
18分だ」

「えぇ?!
ご、ごめんね!!入っちゃってくれていいから!」


そう言って赤夜さんは玄関の戸を大きく開けて、自分も端により、場所を空けた。

「お前が原因だろうが・・・・
まぁいいか。さてと、とりあえずリビングの方に行こうか。
迷うほど広くは無いけど・・・・・勝手にあたしの部屋に入ったら問答無用で鉄拳制裁だから。それだけ先に言っておくよ」

少し睨みながら、桃未さんはそう言った。
――本当に、この人も変わってない。俺も、初めて遊びにきたときにそういわれて、どれだけ怖かったことか


「じゃあ、そういうわけで。」

クル、と踵を返して進んでいく。
それに遅れないようについていく。


懐かしい。本当に懐かしい。
初めてここに来たのはいつだったか――


そんなことを考えながら

「お邪魔します。」


桃未さんのあとを追う
皐月たちも、口々に「お邪魔します」と言ってあとについてきてるようだ。


「うわぁ・・・・あたし白飛の家って初めて!」(皐

「あたしも。ていうか、みんなそうでしょ?」(美

「そうだな。家の場所もわからなかったくらいだ」(恵

「やっぱり、部活とか・・・・結構忙しくて、遊びに行ったりとかできないですし」(由

「そうですよー。まぁ、あたしはバスケ好きなんでいいですけどねー」(有

「あ、私もいやなわけじゃないですよ!!」(由

「あはは、誰もそんなこと言ってないよー」(皐

「そうそう。」(美

「あ、そ・・・そうですよね、あはは」(由

「由里、顔が赤いぞ」(恵

「えっ、あ・・・・えへへ」(由

「あぁもう由里ちゃん可愛いー♪」(皐



何でこんなにも騒がしいんだろうか。
やっぱり、注意すべきかな

「「こら」」

「え?」

突然被った声に、驚く。
そうすると、桃未さんが皐月たちを注意していた。


「ここはあたしらが住んでる家だからいいけど、他の家にお邪魔したときは静かにしないといけないよ?」(桃

「あ・・・す、すみません!」(皐

「いいよ、騒がしいのはうちので慣れてるから。
微笑ましいし、可愛らしくていいけど・・・・あ、でもちょっとそろそろ夜だから気をつけて欲しいかな・・・・一応。」(桃

「はい、本当にすみません・・・・」(由

「うん、謝らないでいいから。」(桃

<ガチャ>


桃未さんは、滅多に見せない笑顔で皐月たちにそう言う。
そのあとリビングへのドアを開けて中に入っていく。


「ソファのとこに座っといて。」

奥の方に入っていく。
ソファのところで、とりあえず座らせてもらうことにした。


――あぁ、本当に、何もかもが懐かしい・・・・・

「コーヒーか紅茶か・・・・あぁ、あとアク○リかー・・・・オレンジジュース。
4つから1つ選ぶこと。


コーヒーの人」

手を上げたのは俺、恵、美和、有佳の4人だった。
それを確認して桃未さんが続ける。

「紅茶の人」

次に手を上げたのは――
赤夜さんだった。

「・・・・・」

何かいいたげに赤夜さんを見る桃未さん。
赤夜さんは赤夜さんでニコニコと桃未さんを見ている。


赤夜さんから目をそらして、桃未さんが続ける。

「アク○リの人」

皐月が手を上げる。

「じゃあ、もう1人の子はオレンジジュース?」

「あ・・・は、はい!」


手を上げるんだろうと思っていたら、本人に確認を取る。
由里もそれは予想外だったらしく、少し反応が遅れていた。


突然の事態に弱いのは性格というか・・・・少し、改善できればいいが・・・・


「あ、ごめんねー。今白飛とか黒晴とか走りに行っててねー」(赤

「あぁ、いいですよ。気にしないでください、もう少しで帰ってくるんでしょうし・・・・」(高

「うん、もう少しだと思うよー」


「あの、コーチ?」

「ん?」

「こくせい、とか・・・・走りに行ってるとか、どういうことですか・・・・?」


皐月が心底わからないと言う顔で聞いてくる。
ふと見回してみると、美和も、恵も、それに由里も有佳も不思議そうな顔をしていた。

「あぁ・・・・
そうか、皐月たちは知らないんだったな」

「美弥ちゃん、俺が話そうかー?」

「いいですよ、俺が話します。


黒晴ってのは、白飛の兄だ。
走りに行ってるってのは・・・・そうだな。白飛たちは自主練をしてると思えばいい。
ランニング中ってことだ」

「え・・・・、もしかして白飛は毎日自主練を・・?」(皐

「そうだろうな。
・・・・学校に来ないくせに自主練はしっかりと・・・・・ってあたり、白飛らしいかもしれないな」

「いや、白飛が学校休んでる時点で白飛らしくないんですけど」(美


「あ、そうだ。
白飛って、学校でどんな感じ?」

ニコニコと、赤夜さんが聞く。
そういえば赤夜さんは何年も前に居なくなったと思っていたが・・・・いつ帰ってきたんだろう

「おもしろいですよ?」(有

「はい、それに優しいですよ」(由

「そっかそっかー♪
うん、なんていうかやっぱり嬉しいねぇ」

「あ、それにいつも元気ですよ」(由

「あれは元気すぎる気がするけどね」(有

「そんなに元気なんだー?」

「はい、すごいですよ?
水野ちゃんとかと掛け合い・・・みたいなことしてたり、結構走り回ってますし・・・。」(有

「そっかぁー♪」

<ピンポーン>


「あれ?誰だろう・・・・
はーい!

ごめんね、ちょっと行ってくるから普通に話しててねー」


そう言って、赤夜さんは玄関の方に走っていった。

「白飛、戻ってきたのかな?」(皐

「いや、自分の家なんだからインターホンをならすことは無いだろう。
となれば、他の誰かになると思うが」(恵


「こんな時間に誰だろうねぇ。
今日は美弥以外に電話はもらってないんだけど・・・・


あぁ、遅くなってごめんね。」

桃未さんがコーヒーとアク○リとオレンジジュースを配っていく。
コーヒーの人のところにはスティックシュガーを2本とミルクを添えている。

「あ、すみません、ありがとうございます。」(高

「うん。
あぁ・・・・そういえば、名前聞いてないな。
あたしは高空 桃未・・・・って知ってるかもね。まぁよろしく」

「よろしくお願いします!
黄燐中学女バスキャプテン、香山 皐月です。」

ジィ、と皐月を見つめる桃未さんの視線は、少し楽しそうだった
その後、皐月の隣に居る美和に視線を移す。

美和はそれに気付いて、自己紹介をはじめる。

「副キャプテンの四谷 美和です。」

同じように、隣の恵を見る

「吉元 恵です。」

また同じく、恵の前に座る由里を。

「た、高野 由里です!」

最後に、由里の隣、美和の前に座る有佳を。

「高月 有佳です。」


「よろしく。
白飛から何度か話は聞いてるから、あんまり知らない子って気がしないね。


あぁ、美弥?」

「はい?」

「水野、こっちに戻ってきてるんだってね。」

「えぇ、そうみたいですね。
教職に就いてると、小耳に挟みました。」

「・・・・へぇ、その様子だと美弥は知らないんだ?」

「・・・・・・?何をですか?」

「白飛の担任だよ、水野は」



「・・・・・・・は?」


耳を疑わずにはいられなかった。
だって、同じ学校に居るはずなのに、水野に会ったことなんてなかったから・・・・


ちょうどそのとき、赤夜さんが戻ってきたようだった。


「桃未ー、美弥ちゃーん♪

また懐かしい子が来てくれたよー!」


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*あとがき

ぅゎぁ、長いかも。
話すすまへんやん!!白飛居らんし!!!

しかもなんか桃未さん性格違いますやん?!



あ、ちなみに今回美弥視点です(高遠コーチ
が・・・・頑張れ自分(何(ちなみにただの思いつき



2006.4.10 庚 汐
2006.11.11:修正 誡 葎


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